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一部の物を除いて値段もそんなに高いわけではないのでほしければ買えばいいじゃないかとよく言われるのだが、問題はその独特の形状にある。ただでさえ道楽のように買い集めた調理道具がいっぱいあるわが家の台所には、もう収納スペースがほとんどない。そこへこんな変な形の鍋を持ち込んだら妻の不興を買うのは必至だ。
そこで考えた。そもそもタジンと言っても土鍋と性質は同じはず。確かに漏斗状のふたは水蒸気を冷やして水分を下に落とすので水をほとんど使わない調理が可能というふれこみだが、わが土鍋でも、湯気抜きの穴をふさいでしまえば無水調理くらいできるだろう。
というわけで試してみた。材料は白菜、尾道タイヨーミートの豚バラベーコン、豆腐。
白菜をざく切りにして芯の部分を鍋の底に敷き、ついでベーコン、白菜、ベーコン、白菜と重ねていくそのたびに塩、コショウをひとふり、最後にさいの目に切った豆腐を盛り、ふたをする。

ただ、素材から水分が出る前に底の野菜が焦げる心配があるので、大さじ3杯ほどの水、1杯の酒を加える。ふたの湯気抜きの穴にはセロリなど、野菜の軸でも突っ込んで湯気を閉じこめよう。そしてごくごく弱火でじっくり加熱する。
10分もすると白菜の香りが部屋に漂うようになる。そしてぐつぐつと煮えはじめる。白菜が全体にしんなりして豆腐にしっかり熱が通ったら完成だ。塩、コショウは控えめにして、最後に塩で味を調えるようにしよう。
ひやあ!これはうまい。白菜の甘みが実によく出ている。そしてベーコンのうまみと渾然一体となり、すばらしいうまさだ。汁も最高のスープになっている。
ベーコンもできるだけいい物を使うのがいいと思う。味の深みが違います。これならタジンは当面不要かな。ちょっと寂しい気分もあるけど(笑)今度はモロッコ料理に挑戦してみよう。トマトやクスクスを料理してみようか。